

ヘルシーファーム
神戸市西区平野
「山では木が勝手に育つ。その自然の循環を畑で実現する」
兵庫県の恵まれた自然環境の中で、21年間にわたり有機野菜を育て続ける「ヘルシーファーム」。
雪害や水害もなく、極端な暑さも寒さもないこの土地の特性を活かし、年間約100種類もの多品目栽培を実現しています。
ジャガイモだけでも4種類、きゅうりやトマトもそれぞれ複数品種を育て、常に「旬の野菜」を途切れさせない工夫を重ねています。有機栽培でありながら安定出荷を可能にしているのは、豊富な品種選択と7人体制でのチームワーク、そして何より「自然の循環」を大切にした独自の土づくりがあるからです。
直売所やファーマーズマーケットを中心に、顔の見える関係で消費者に届ける―それが「ヘルシーファーム」のスタイル。シンプルな調理でも十分に美味しく、素材そのものの力を実感できる野菜たちは、食べる人の笑顔と健康を何より大切に考えた証拠です。
代表の人生のストーリー
~30歳、農業への転身~
農家の血を受け継ぎながらも、一度は別の道へ
代表が生まれ育った家は、祖父の代まで農業を営んでいました。農業という選択肢は常に身近にあったものの、大学卒業後は農業土木の道を選択。しかし働いているうちに、心の奥底にあった「やはり農業をやりたい」という想いが日に日に強くなっていきました。
運命的な出会い ~師匠との出会いが人生を変えた~
転機となったのは、新規就農研修での師匠との出会いでした。最初は「勉強するだけのつもり」で足を踏み入れた研修先でしたが、師匠の農業に対する哲学と実践に触れるうち、気がつけば本格的に働くことになっていました。
「山では木が勝手に育つ。その自然の循環を畑で実現しよう」
師匠のこの言葉は、代表の農業観の根幹を形成しました。単に野菜を育てるのではなく、土を育て、自然の摂理に寄り添う農業のあり方を学んだのです。
人生最大の挑戦 ~無給、双子誕生、それでも諦めなかった想い~
30歳で本格的に農業をスタートした時、代表は人生最大の試練を迎えていました。結婚したばかりで双子の子どもも誕生、しかも研修期間は無給という状況。普通なら心が折れてもおかしくない状況でした。
「とてつもなく大変でした。でも余計なことを考える暇もなく、がむしゃらにやっていました」
生活費だけをなんとか工面しながら、農業の技術を一から身につける日々。初期投資がゼロだったことは幸運でしたが、それでも1年目、2年目、3年目と続く苦労の連続でした。
経営者としての歩み ~師匠からの事業継承~
やがて師匠が引退する時期を迎えると、代表に経営を託されることになりました。一人の新人農家から、7人のチームを率いる法人代表へ。農業技術だけでなく、経営者としての責任も背負うことになったのです。
現在の想い ~次の世代へ想いをつなぐ~
21年の農業人生を振り返って、代表は「人生のターニングポイントは30歳で農業を始めた時」と語ります。あの時の決断がなければ、今のヘルシーファームはありませんでした。
現在の課題は「人手不足」と「後継者の確保」。しかし、雇うなら「農業を本気でやりたい人のみ」という方針は変わりません。
「過去の自分と同じように、農業をやりたくて頑張れる人にこそ、この場所を継承したい。一人でも多くの若者が、農業の世界に夢を持って入ってくれるように」
そんな想いを胸に、今日も畑に立ち続けています。普通のサラリーマンの方が経済的には楽かもしれないけれど、大変だからこそのやりがいがある。全滅のリスクがある一方で、うまく育った時の喜び、消費者が喜んでくれた時の嬉しさ―それこそが農業の醍醐味だと語る代表の表情には、揺るぎない信念が表れています。
生産者のこだわり
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有機栽培で100種類、野菜を絶やさない挑戦
一般的に有機栽培では、品種切り替えの時期(端境期)に出荷が止まりがちです。しかしヘルシーファームは違います。100種類もの豊富な品目を栽培し、時期をずらしながら常に何かしらの旬野菜を出荷できる体制を整えています。トマトひとつとっても、イタリアン料理に使える細長いタイプから昔ながらの丸型まで。品種選択は「売れやすさ」「作りやすさ」「お客様のニーズ」を総合的に判断し、時には新しい品種にも挑戦します。多品目栽培のメリットは、特定の作物が不作でも他でカバーできること。リスクを分散しながら、安定した出荷を実現しています。
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「山では木が勝手に育つ。その自然の循環を畑で実現しよう」
これは、代表が30歳で農業を始めた時に師匠から教わった言葉です。魚のカス、鶏の羽、蟹の殻、牛ふん、炭などを絶妙に配合し、時間をかけて発酵させる独自の有機肥料。一つの素材にこだわるのではなく、自然界のように多様な有機物を混ぜ合わせることで、土に豊かな命を宿らせています。
作物ごとに肥料の量を調整し、除草剤に頼らず手作業で草を引く―有機栽培の中でも、ここまで土づくりに時間と手間をかける農家は多くありません。収穫・出荷作業に最も時間を割きながらも、草引きを怠らないのは「土を育てることが野菜を育てること」という信念があるからです。
師匠から受け継ぐ「自然の循環」を再現する土づくり

次世代への想いと挑戦
現在の課題は「人手不足」と「後継者確保」。ただし、雇うなら「農業を本気でやりたい人」のみ。過去の自分と同じように農業に情熱を持つ人に、この場所と技術を継承していきたいと考えています。観光農園「グランメール」での味噌作り体験や、かつては運動会なども開催していた地域イベント。メンバーの高齢化で規模は縮小しましたが、農業を通じて人と人をつなぐ活動にも力を入れています。農業以外の案件も増える中、新しい人材が収穫量を上げてくれることで、より多くの挑戦が可能になると期待しています。
こんな人に食べてほしい
🥕 シンプル調理で野菜本来の味を楽しみたい方
ゆでるだけ、焼くだけ、塩をつけてそのまま―手の込んだ料理をしなくても、素材の美味しさがしっかり伝わります。
にんじんをかじれば驚くほどの甘さ、冬野菜は寒さに耐えて糖を蓄えた自然の恵みそのもの。
🌱 安心して家族に食べさせられる野菜を探している方
21年間継続してきた有機栽培、独自の土づくり、農薬に頼らない栽培方法。小さなお子様にも安心して食べていただける野菜をお届けします。
🍃 「作り手の顔が見える」野菜を求める方
直売所やファーマーズマーケットでの販売を中心に、生産者との距離が近い関係を大切にしています。野菜の向こう側にある土づくりへの想いや栽培ストーリーも一緒に味わってください。
♻️ 環境にやさしい農業を応援したい方
自然の循環を再現した土づくり、多品目栽培による生態系への配慮、廃棄を最小限に抑える取り組み。環境問題への関心から有機農業を始めた代表の想いが込められています。
「この野菜、いつもと違うな」と感じたら、それは土と人がつくった本物の証拠。ヘルシーファームの野菜で、自然の恵みを存分にお楽しみください。
